傷あとだけじゃない？ケロイドの症状と治療法

傷あとだけじゃない？ケロイドの症状と治療法

ケロイドとは？

– ケロイドとは？ ケロイドとは、皮膚に受けた傷が治る過程で、赤く盛り上がり、硬くなってしまう病気です。まるでミミズ腫れのようになってしまい、見た目が気になるだけでなく、痛みやかゆみを伴うこともあります。通常、傷は時間が経つにつれて徐々に薄くなり、目立たなくなっていきます。しかし、ケロイドの場合は、傷口を修復しようとする体の働きが過剰に働いてしまうため、このような症状が現れます。皮膚の下にある線維芽細胞という細胞は、コラーゲンという繊維状のタンパク質を作り出し、傷を修復する役割を担っています。ケロイドでは、この線維芽細胞が過剰にコラーゲンを作り出してしまうために、傷口が異常に盛り上がってしまうのです。さらに、ケロイドは傷口の範囲を超えて広がっていくことがあるのも特徴です。本来であれば傷口を塞ぐために必要な範囲だけに留まるはずのコラーゲンが、周囲の健康な皮膚にまで浸潤してしまうことで、元の傷よりも大きくなってしまうことがあります。ケロイドは自然に治ることは少なく、治療が必要となるケースがほとんどです。気になる症状がある場合は、早めに皮膚科専門医を受診しましょう。

ケロイドの原因

ケロイドとは、やけどや虫刺され、手術後の傷跡、ニキビ跡など、皮膚に傷を負った後に赤く盛り上がって残ってしまう状態を指します。しかし、同じような傷を負っても、すべての人がケロイドになってしまうわけではありません。ケロイドは体質的な要素が大きく影響すると言われています。
特に、皮膚の色が濃い人種、例えば黒人やアジア人に多く見られます。また、遺伝的な要因も関係していると考えられており、家族にケロイド体質の人がみられる場合は、注意が必要です。
ケロイドは、傷が治る過程で、皮膚の結合組織の一部であるコラーゲンというたんぱく質が過剰に作られてしまうことで発生します。通常、傷が治るときには、コラーゲンが必要な量だけ作られ、傷口をきれいに修復します。しかし、ケロイド体質の人は、このコラーゲンの生成が過剰になり、傷口を覆い尽くした後も増殖し続けるため、赤く盛り上がった状態になってしまうのです。

ケロイドの症状

– ケロイドの症状ケロイドは、傷が治る過程で皮膚の一部が異常に増殖してしまうことで起こり、見た目の問題だけでなく、かゆみなどの不快な症状を引き起こすこともあります。ケロイドは、初期の段階では赤みやピンク色をした硬い傷跡として現れます。これは、傷が治る過程で新しい血管が作られるために赤く見えるためです。そして、時間の経過とともに傷跡は徐々に大きくなり、周囲の皮膚よりも盛り上がってきます。これは、ケロイドがコラーゲンと呼ばれる線維を過剰に産生し続けるためです。ケロイドは、見た目の変化だけでなく、かゆみや痛み、熱を持ったような感覚を伴うこともあります。これは、ケロイドの内部で炎症が起こっているためと考えられています。また、衣服などがこすれることで不快感を覚えたり、関節付近にできた場合には動きが制限されることもあります。ケロイドは自然に治癒することは難しく、治療が必要となるケースがほとんどです。症状に悩まされている場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

ケロイドになりやすい部位

– ケロイドになりやすい部位ケロイドは、傷が治る過程で皮膚の一部が過剰に成長してしまう症状で、赤みや盛り上がり、かゆみを伴うことがあります。体のどこにでもできる可能性がありますが、部位によってできやすい場所とできにくい場所があります。一般的に、皮膚の張力が強い部位はケロイドができやすいと言われています。これは、皮膚が常に引っ張られている状態だと、傷が治る際に皮膚が過剰に増殖してしまうためと考えられています。特にケロイドができやすい部位としては、胸、肩、耳たぶ、首などが挙げられます。* -胸- 胸は体の中でも面積が広く、皮膚が薄いため、外部からの刺激を受けやすい部位です。また、女性の場合はバストがあるため、皮膚が引っ張られる力が働きやすく、ケロイドができやすい傾向があります。* -肩- 肩も胸と同様に皮膚が薄く、刺激を受けやすい部位です。また、肩は関節部分であるため、腕を動かすたびに皮膚が引っ張られ、ケロイドができやすいと考えられています。* -耳たぶ- 耳たぶは皮膚が薄く、ピアスの穴あけなどによる傷が残りやすい部位です。また、耳たぶは顔の一部として人目につきやすく、無意識に触ってしまうことも多いため、ケロイドができると目立ちやすく、治りにくい傾向があります。* -首- 首は常に外部に露出しているため、摩擦や紫外線などの刺激を受けやすい部位です。また、首は頭と体を繋ぐ部分であり、常に動いているため、皮膚が引っ張られる力が働きやすく、ケロイドができやすいと考えられています。これらの部位以外でも、関節部分や筋肉の隆起している部分などは皮膚が引っ張られやすいため、ケロイドができやすい傾向があります。ケロイドは、体質や生活習慣なども関係するため、上記のような部位であっても必ずしも発症するわけではありません。しかし、ケロイドができやすい部位であることを認識しておくことは大切です。

ケロイドの治療法

皮膚に傷ができた後、赤く盛り上がって残ってしまうことがあります。これはケロイドと呼ばれるもので、見た目の問題だけでなく、かゆみやかぶれなどの症状を引き起こすこともあります。

残念ながら、このケロイドを完全に消してしまう治療法はまだ確立されていません。しかし、症状を和らげたり、これ以上大きくならないようにしたりする治療法はいくつかあります。

ケロイド治療でよく用いられるのは、ステロイドという薬を患部に直接注射する方法です。ステロイドには炎症を抑え、組織の増殖を抑える働きがあります。また、ケロイドが小さく、手術で切除できる場合は、手術を行うこともあります。ただし、手術によって傷跡が残る可能性もあり、場合によってはケロイドが再発するリスクもあります。

そのほか、放射線やレーザーを用いた治療法もあります。放射線治療は、手術後にケロイドが再発するのを防ぐ効果が期待できます。レーザー治療は、ケロイドの赤みを薄くしたり、高さを抑えたりする効果があります。

どの治療法が適しているかは、ケロイドの大きさや場所、症状の程度、そして患者さんの体質や希望などを考慮して慎重に判断する必要があります。そのため、自己判断せずに、まずは皮膚科専門医に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。

ケロイド予防

ケロイド体質を持つ方にとって、新たなケロイドを作らないための予防は非常に重要です。 ケロイドは一度できてしまうと、治療が難しいだけでなく、見た目も気になり、精神的な負担も大きくなってしまいます。

そのため、ピアスの穴あけなど、ケロイド発生のリスクがある行為は避けるように心がけましょう。どうしても必要な医療行為でも、ケロイド発生の可能性を考慮し、事前に医師に相談することが重要です。

やむを得ず手術を受ける場合は、必ず事前に医師にケロイド体質であることを伝えましょう。傷跡を最小限に抑える手術方法や、術後のケアについて相談することで、ケロイドのリスクを減らすことができます。

日頃から傷口を清潔に保ち、紫外線から保護することも大切です。傷口を清潔に保つことは、感染症を防ぐだけでなく、ケロイドの発生を抑える効果も期待できます。また、紫外線はケロイドを悪化させる可能性があるため、日焼け止めクリームや衣類などで傷跡を保護するようにしましょう。

ケロイド体質は遺伝的な要素が強いですが、適切な予防とケアを心がけることで、ケロイドのできにくい肌作りを目指しましょう。