AGAだけじゃない？薬が原因の脱毛症
美容を知りたい
『AGAの薬剤性脱毛症』ってどういう意味ですか？AGAって男性型脱毛症のことですよね？
美容の研究家
良い質問ですね！その通り、AGAは男性型脱毛症のことです。では、AGAの治療薬を服用すると、なぜ薬剤性脱毛症になるのでしょうか？考えてみましょう。
美容を知りたい
うーん🤔…。AGAの治療薬は、髪の毛を増やすためのものなのに、逆に脱毛を引き起こしてしまうことがあるということですか？
美容の研究家
そうです！AGAの治療薬の中には、毛髪の成長を促す一方で、その過程で一時的に脱毛を引き起こすものもあるんです。これは、休止期の毛髪を成長期に誘導することで、新しい毛髪を生えやすくする効果によるものなんですよ。
AGAの薬剤性脱毛症とは。
ここでは、「AGAの薬剤性脱毛症」について説明します。薬剤性脱毛症とは、薬の影響で髪が抜けてしまうことです。大きく分けて、成長期の髪が抜ける場合と、休止期の髪が抜ける場合の二つがあります。
抗がん剤の副作用で髪が抜けるのは、成長期の髪が抜ける場合の代表例です。抗がん剤は、がん細胞の増殖を抑える働きがありますが、同時に髪の毛を作る細胞の働きも弱めてしまいます。そのため、成長期の髪が多く存在する頭では、抗がん剤の影響を大きく受け、髪が抜けてしまうのです。これを成長期脱毛と呼びます。
一方、休止期の髪に影響が出て髪が抜けることを休止期脱毛と呼びます。様々な薬がこの脱毛の原因となる可能性があります。通常、休止期の髪は全体の約1割ですが、薬の影響で髪の成長期間が短くなり、休止期の髪が増えてしまうことがあります。その結果、髪が新しく生え変わる時に、抜け毛が目立つようになるのです。これが休止期脱毛です。
薬が原因で起こる脱毛は、薬の服用をやめれば、基本的には脱毛もおさまります。
薬剤性脱毛症とは
– 薬剤性脱毛症とは薬剤性脱毛症は、特定の薬を服用することによって引き起こされる脱毛症です。髪の毛は、「成長期」「退行期」「休止期」という3つの段階を繰り返しながら成長しています。薬剤性脱毛症は、このヘアサイクルに影響を与えることで脱毛を引き起こします。例えば、がん治療で使用される抗がん剤の中には、細胞の分裂を抑制する効果を持つものがあります。これらの薬は、がん細胞を狙って攻撃しますが、同時に髪の毛の成長に必要な細胞の分裂も抑えてしまうため、脱毛の副作用が生じることがあります。薬剤性脱毛症は、薬の使用を中止すると自然に治る場合がほとんどです。ただし、薬の種類や服用期間によっては、脱毛が長引いたり、完全に元の状態に戻らないケースもあります。薬剤性脱毛症の治療は、その原因や症状、そして患者の状態によって異なります。例えば、原因となる薬を変更したり、服用量を調整したりすることで、脱毛を抑制できる場合があります。また、頭皮への塗布薬や内服薬など、発毛を促進する治療が行われることもあります。薬剤性脱毛症は、男性ホルモンの影響で起こる男性型脱毛症（AGA）とは異なるメカニズムで発症するため、治療法も異なります。自己判断で育毛剤などを使用するのではなく、まずは医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 病名 | 薬剤性脱毛症 |
| 定義 | 特定の薬の服用によって引き起こされる脱毛症 |
| メカニズム | 薬剤がヘアサイクル（成長期→退行期→休止期）に影響を与える |
| 原因例 | 抗がん剤：細胞分裂抑制により発毛阻害 |
| 経過 | 薬剤中止後に自然治癒することが多い 薬の種類・服用期間によっては脱毛が長引く場合も |
| 治療法 | 原因薬剤の変更・服用量の調整 頭皮塗布薬や内服薬による発毛促進 |
| 注意点 | 男性型脱毛症(AGA)とは異なるメカニズムのため治療法も異なる 自己判断での市販薬使用は避け、医療機関を受診 |
成長期脱毛と抗がん剤
– 成長期脱毛と抗がん剤薬剤によって引き起こされる脱毛症の中でも、「成長期脱毛」は、現在成長過程にある毛髪がダメージを受けることで脱毛する現象を指します。この成長期脱毛の代表的な原因として、抗がん剤治療が挙げられます。抗がん剤は、その名の通りがん細胞を攻撃し、増殖を抑えることを目的とした薬です。しかし、その強力な効果は、がん細胞だけでなく、正常な細胞にも少なからず影響を与えてしまうことがあります。髪の毛は、細胞分裂が活発に行われている組織の一つです。そのため、抗がん剤の影響を特に受けやすく、成長期の毛髪が薬剤の影響を受けると、成長が止まり、抜け落ちてしまうのです。抗がん剤治療開始後、比較的早い段階で脱毛が始まることが多いのは、こうした理由からです。
休止期脱毛とは？
– 休止期脱毛ってどんな脱毛？
髪の毛には毛周期といって、成長期、退行期、休止期というサイクルがあるのはご存知ですか？ 健康な状態であれば、髪の毛全体の約85％～90％が成長期にあり、残りの約10％～15％が退行期と休止期にあたります。そして、このサイクルを繰り返すことで、髪の毛は自然と抜け替わっています。
通常であれば、休止期を迎えた髪の毛は自然に抜け落ち、その後には新しい髪の毛が生えてきます。しかし、特定の薬剤の影響などにより、本来であれば成長期であるはずの髪の毛が、一時的に休止期に移行してしまうことがあります。これが「休止期脱毛」です。
休止期脱毛は、円形脱毛症や男性型脱毛症のように、ある一部分の髪の毛が集中して抜けるといったことは少なく、頭皮全体から抜け毛が増える傾向があります。 また、抜け毛が増えるスピードもゆっくりとしており、急激に脱毛が進むことはほとんどありません。ただし、服用している薬の種類や量、そして体質によっては、脱毛の程度が大きく異なる場合があるので注意が必要です。
もし、抜け毛が気になり始めたら、自己判断せずに皮膚科専門医に相談するようにしましょう。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 休止期脱毛とは | 本来成長期であるはずの髪の毛が、薬剤の影響などで一時的に休止期に移行してしまうこと。 |
| 特徴 | – 頭皮全体から抜け毛が増える。 – 抜け毛が増えるスピードはゆっくり。 – 脱毛の程度は薬の種類、量、体質によって異なる。 |
| 対応 | 自己判断せず、皮膚科専門医に相談する。 |
休止期脱毛を引き起こす可能性のある薬
– 休止期脱毛を引き起こす可能性のある薬休止期脱毛は、成長期の髪が休止期に移行することで起こる脱毛で、様々な要因が考えられます。抗がん剤治療による副作用がよく知られていますが、実はその他にも多くの薬が原因で起こる可能性があります。ホルモンバランスに作用する薬も、休止期脱毛の原因となることがあります。例えば、ピルなどのホルモン剤は、体内のホルモン量を調整することで効果を発揮しますが、その過程でヘアサイクルが乱れ、休止期脱毛が引き起こされるケースがあります。また、抗うつ薬の中には、セロトニンの分泌量を調整することで効果を発揮するものがあり、このセロトニンがヘアサイクルにも影響を与えるため、休止期脱毛が起こる可能性が指摘されています。さらに、甲状腺ホルモンの分泌異常も、休止期脱毛と関連があります。甲状腺ホルモンは、新陳代謝を活発にし、髪の発育を促す働きがあるため、甲状腺機能が低下すると、髪が十分に成長せず、休止期脱毛が起こりやすくなります。そのため、甲状腺機能低下症の治療に用いられる抗甲状腺薬も、休止期脱毛のリスクを高める可能性があります。これらの薬はすべての人に休止期脱毛を引き起こすわけではありませんが、服用中に抜け毛が気になり始めたら、自己判断せずに医師に相談することが大切です。場合によっては、薬の種類や量を調整することで、脱毛を抑えられることがあります。
| 薬剤の種類 | 影響 | メカニズム |
|---|---|---|
| 抗がん剤 | 休止期脱毛 | – |
| ホルモン剤(例: ピル) | 休止期脱毛 | ホルモンバランスの変化によるヘアサイクルの乱れ |
| 抗うつ薬(一部) | 休止期脱毛 | セロトニンの分泌量調整によるヘアサイクルへの影響 |
| 抗甲状腺薬 | 休止期脱毛 | 甲状腺ホルモンの分泌抑制による髪の発育阻害 |
薬剤性脱毛症への対策
特定の薬を服用することで、抜け毛が増えたり、髪の毛が薄くなったりすることがあります。これを薬剤性脱毛症と呼びます。薬剤性脱毛症は、その原因となる薬の使用をやめることで多くの場合改善が期待できます。
しかし、自己判断で薬の服用を中断してしまうのは大変危険です。
薬剤性脱毛症が疑われる場合でも、自己判断はせず、必ず医師に相談しましょう。医師に相談することで、脱毛の原因となっている薬を特定し、その種類や服用量を調整してもらえます。場合によっては、脱毛を抑える効果のある薬を処方してもらうことで、症状を和らげることができるでしょう。自己判断で治療を中断したり、他の薬を自己流で併用したりすることは大変危険です。必ず医師の指示に従い、適切な治療を受けるようにしましょう。
