まぶたのたるみと挙筋腱膜の関係
美容を知りたい
先生、『挙筋腱膜』って、一体どんなものなんですか? 目の病気と何か関係があるんですか?
美容の研究家
良い質問だね! まぶたを上げる筋肉とまぶたを繋ぐ膜のような部分を『挙筋腱膜』って言うんだ。これが弱ったり伸びたりすると、まぶたが下がってきてしまうんだ。これが『眼瞼下垂症』って病気だよ。
美容を知りたい
なるほど。それで、美容外科では、この『挙筋腱膜』を使って、どんな治療をするんですか?
美容の研究家
眼瞼下垂症の治療では、弱くなってしまった『挙筋腱膜』をしっかりと固定したり、縮めたりすることで、まぶたを持ち上げて、ぱっちりとした目にすることができるんだ。
挙筋腱膜とは。
まぶたを持ち上げる役割を持つ筋肉と、まぶたの板状の部分をつないでいる膜のような部分を「挙筋腱膜」といいます。この「挙筋腱膜」が切れたり、伸びて薄くなってしまうと、まぶたが垂れ下がる「眼瞼下垂」という状態になります。まぶたのたるみを改善する手術では、この「挙筋腱膜」とまぶたの板状の部分をしっかりとつなぎ直すことで、まぶたが大きく開くようにします。
まぶたの構造
私たちの目は、顔の中でも特にデリケートな部分です。その目を守る役割を担っているのがまぶたですが、このまぶたは、いくつかの組織が複雑に組み合わさってできています。
まず、表面を覆っているのは皮膚です。顔の他の部分と同様に、まぶたの皮膚にも毛穴があり、皮脂や汗を分泌しています。皮膚の下には、眼輪筋という筋肉があります。これは、目を閉じたり開いたりする際に働く筋肉です。まぶたを持ち上げる役割を担っているのが、眼瞼挙筋という筋肉です。この筋肉は、眉の下からまぶたの上部にかけて位置しており、収縮することでまぶたを上に引き上げます。
まぶたの中の方には、瞼板と呼ばれるコラーゲンを多く含む組織があります。これは、まぶたの形を保つ役割を果たしています。この瞼板と眼瞼挙筋をつないでいるのが、挙筋腱膜と呼ばれる薄い膜状の組織です。挙筋腱膜は、眼瞼挙筋の力を瞼板に伝えることで、まぶたをスムーズに開閉させる役割を担っています。
このように、まぶたは複数の組織がそれぞれ重要な役割を果たすことによって、目を保護するという重要な機能を担っています。
まぶたの部位 | 構成要素 | 役割 |
---|---|---|
表面 | 皮膚 | – 毛穴があり、皮脂や汗を分泌 – 顔の皮膚と同様の構造 |
表面の下 | 眼輪筋 | 目を閉じたり開いたりする |
まぶたの上部 | 眼瞼挙筋 | まぶたを持ち上げる |
内部 | 瞼板 | – コラーゲンを多く含む – まぶたの形を保つ |
内部 | 挙筋腱膜 | – 眼瞼挙筋と瞼板をつなぐ – まぶたをスムーズに開閉させる |
挙筋腱膜の役割
まぶたをスムーズに開閉するためには、「挙筋腱膜」という薄い膜が重要な役割を果たしています。この膜は、まぶたを持ち上げる筋肉である「眼瞼挙筋」と、まぶたそのものを形づくる板状の組織である「瞼板」をつないでいます。
例えるなら、カーテンレールにカーテンを吊り下げるための紐のようなものです。紐がしっかりとしていれば、カーテンはレールに沿ってスムーズに開閉します。しかし、紐が切れたり伸びてしまったりすると、カーテンは重くなってしまい、スムーズに開閉できなくなってしまいます。
挙筋腱膜も同様で、この膜が正常に機能することで、私たちは意識することなく、まぶたをスムーズに開閉し、はっきりとした視界を確保することができます。もし、加齢や目の疲れ、遺伝などの要因によって挙筋腱膜が伸びてしまうと、まぶたが重く感じる、目が開きにくい、といった症状が現れます。さらに、ひどい場合には視界が狭くなってしまうこともあります。
このように、挙筋腱膜は、私たちが普段意識することなく過ごしている視覚機能を支える、重要な役割を担っているのです。
部位 | 役割 | 状態 | 症状 |
---|---|---|---|
挙筋腱膜 | 眼瞼挙筋と瞼板をつなぐ (カーテンレールとカーテンをつなぐ紐のようなもの) |
正常:スムーズにまぶたが開閉 異常(伸びたり切れたり):まぶたが重くなる |
まぶたが重い、目が開きにくい、視界が狭くなる |
眼瞼挙筋 | まぶたを持ち上げる筋肉 | – | – |
瞼板 | まぶたの形を作る板状の組織 | – | – |
挙筋腱膜と眼瞼下垂
– 挙筋腱膜と眼瞼下垂まぶたを持ち上げる役割を担っているのが、眼瞼挙筋という筋肉と、挙筋腱膜と呼ばれる薄い膜です。挙筋腱膜は、眼瞼挙筋とまぶたの板状の組織である瞼板を繋ぐ役割を担っています。しかし、加齢による影響や、長時間のデスクワークによる目の疲れ、コンタクトレンズの長期使用といった要因によって、この挙筋腱膜は徐々に伸びてしまい、まぶたを十分に持ち上げることが難しくなります。さらに悪化すると、挙筋腱膜が瞼板から剥がれてしまう場合もあります。このような状態になると、まぶたがたるんで下がってくる眼瞼下垂症を引き起こします。眼瞼下垂症になると、見た目にも影響が出ることがあります。まぶたが重く感じる、視界が狭くなるといった症状が現れるだけでなく、肩こりや頭痛を引き起こす場合もあります。
部位 | 役割 | 状態 | 症状 |
---|---|---|---|
挙筋腱膜 | 眼瞼挙筋と瞼板をつなぐ (カーテンレールとカーテンをつなぐ紐のようなもの) |
正常:スムーズにまぶたが開閉 異常(伸びたり切れたり):まぶたが重くなる |
まぶたが重い、目が開きにくい、視界が狭くなる |
眼瞼挙筋 | まぶたを持ち上げる筋肉 | – | – |
瞼板 | まぶたの形を作る板状の組織 | – | – |
眼瞼下垂症の治療
– 眼瞼下垂症の治療眼瞼下垂症とは、まぶたが垂れ下がってしまい、目が開きにくくなる症状のことです。この症状は、加齢や生まれつき、コンタクトレンズの使用、目の病気などが原因で起こることがあります。眼瞼下垂症になると、視界が狭くなったり、肩こりや頭痛を引き起こしたりすることがあります。また、見た目の印象にも影響を与えるため、治療を希望される方が多くいらっしゃいます。眼瞼下垂症の治療法には、大きく分けて手術療法と非手術療法の二つがあります。軽度の症状の場合や、手術に抵抗がある方には、まず非手術療法を試みます。非手術療法には、まぶたの筋肉を鍛えるトレーニングや、マッサージ、ツボ押しなどがあります。これらの方法は、まぶたの筋肉を刺激することで、症状の改善を促します。しかし、症状が進行している場合や、生まれつきの眼瞼下垂症の場合は、根本的な改善のためには手術が必要となるケースが多いです。手術療法には、まぶたの皮膚を切開して余分な皮膚や脂肪を取り除く方法や、まぶたを持ち上げる筋肉を調整する方法など、様々なものがあります。症状や原因によって適切な手術方法が異なるため、医師とよく相談し、自分に合った治療法を選択することが大切です。
手術による改善
加齢とともにまぶたが重く垂れ下がって見える症状を眼瞼下垂といいます。これは、まぶたを持ち上げる役割を持つ眼瞼挙筋という筋肉とその先端にある薄い膜状の組織である挙筋腱膜が、加齢の影響で伸びてしまうことで起こります。伸びてしまった挙筋腱膜は、瞼板(まぶたの縁にある硬い組織)を十分に引き上げることができなくなり、その結果、まぶたが下がってきてしまうのです。
眼瞼下垂を改善するために行われる手術では、伸びてしまった挙筋腱膜の一部を切除したり、折りたたんで短くしたりすることで、まぶたを持ち上げる力を強化します。また、挙筋腱膜が瞼板から剥がれてしまっている場合には、再び固定する手術が行われます。これらの手術によって挙筋腱膜と瞼板との連結を調整することで、まぶたの開閉がスムーズになり、視野が広がり、視界が改善されます。さらに、目元の印象が若々しくなる効果も期待できます。
症状 | 原因 | 治療法 | 効果 |
---|---|---|---|
まぶたが重く垂れ下がる | 加齢により眼瞼挙筋と挙筋腱膜が伸びることで、瞼板を十分に引き上げられなくなるため | – 伸びた挙筋腱膜の一部を切除・折りたたみ – 挙筋腱膜が剥がれている場合は再固定 |
– まぶたの開閉がスムーズになる – 視野が広がり、視界が改善される – 目元の印象が若返る |