わきがを理解する:原因と対策

美容を知りたい
先生、「わきが」って、汗が多い多汗症と同じように治療できるって聞いたんですけど、どういうことですか?

美容の研究家
いい質問ですね。わきがは汗の量が多いというよりも、アポクリン腺という汗腺から出る汗が原因で独特の臭いが発生する状態です。多汗症は汗の量が多い状態なので、原因は少し違います。ただ、わきがを治療する方法は、多汗症と同じように外科手術やボツリヌス注射などが有効です。

美容を知りたい
なるほど。じゃあ、わきがも汗腺に関係あるんですね。多汗症と同じ治療法があるってことは、汗腺をなくす治療ってことですか?

美容の研究家
そうですね。外科手術では、アポクリン腺を取り除くことで臭いの発生を抑えます。ボツリヌス注射の場合は、汗腺の働きを抑えることで臭いを抑える効果があります。どちらの方法も汗腺に働きかけることで治療を行います。
わきがとは。
美容と美容外科に関係する言葉である「わきが」について説明します。「わきが」は、アポクリン汗腺という汗を出す腺がよく発達していることが原因で起こります。このアポクリン汗腺から出る汗には、脂肪やたんぱく質などが含まれており、これらが皮膚に住み着いている菌と混ざることで、独特の臭いを発生させます。この臭いが強く出ている状態を「わきが」と言います。汗をかきやすい体質と同じように、手術による治療やボツリヌス菌を使った治療などが効果的です。
わきがとは何か

わきがとは、脇の下から独特の強いにおいが発生する状態を指し、医学的には腋臭症と呼ばれています。多くの人がこのにおいに悩まされ、日常生活に支障をきたす場合もあります。
この特有のにおいの主な原因は、アポクリン汗腺と皮膚常在菌の相互作用にあります。汗腺にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺の二種類がありますが、わきがに関係するのはアポクリン汗腺です。アポクリン汗腺は脇の下や耳の中など特定の場所に多く存在し、脂質やたんぱく質、糖質などを含んだ汗を分泌します。この汗自体は分泌された直後は無臭ですが、皮膚の表面に常在する細菌がこの汗に含まれる成分を分解することで、独特のにおいを作り出すのです。エクリン汗腺は全身に分布し、体温調節のための水分の発散を主な役割としており、わきがのにおいとは直接的な関係はありません。
わきがの程度には個人差が大きく、ほとんどにおわない人もいれば、強いにおいを発する人もいます。においを強く感じることで、周囲の目を気にしたり、人と接することに不安を感じたりするなど、精神的なストレスを抱える人も少なくありません。
わきがの体質は遺伝的な影響が大きいことが知られています。両親のどちらかがわきがの場合、子供もわきがになる確率が高くなります。また、遺伝だけでなく、食生活や生活習慣もにおいの強さに影響を与えます。肉類などの動物性脂肪や、にんにく、唐辛子などの刺激の強い香辛料を多く摂取すると、においが強くなる傾向があります。反対に、野菜中心の食生活を心がけることで、においを多少軽減できる可能性があります。
毎日の入浴やこまめな着替えなど、清潔にすることでにおいを抑えることはできますが、汗腺の活動自体を抑えることは難しいため、根本的な解決にはなりません。においが気になる場合は、制汗剤を使用したり、医療機関で適切な治療を受けることをおすすめします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| わきが/腋臭症 | 脇の下から独特の強いにおいが発生する状態 |
| 原因 | アポクリン汗腺から分泌される汗を皮膚常在菌が分解することで発生 |
| アポクリン汗腺 | 脇の下、耳の中など特定の場所に存在し、脂質、タンパク質、糖質などを含んだ汗を分泌 |
| エクリン汗腺 | 全身に分布し、体温調節のための水分の発散が主な役割。わきがのにおいとは直接的な関係はない |
| においの程度 | 個人差が大きい |
| 影響 | 精神的なストレス |
| 体質 | 遺伝的な影響が大きい |
| 生活習慣の影響 | 食生活(動物性脂肪、香辛料など)や生活習慣もにおいの強さに影響 |
| におい対策 | 毎日の入浴、こまめな着替え、制汗剤、医療機関での治療 |
わきがの原因

脇の独特な臭い、いわゆる「わきが」は、アポクリン腺という汗腺の働きが大きく関わっています。このアポクリン腺は、脇の下や陰部など限られた場所に多く存在し、思春期を迎えると活発に働き始めます。そのため、わきがの症状が顕著になるのも、思春期以降が多いのです。アポクリン腺から出る汗には、皮脂やタンパク質、アンモニアなどが含まれており、これらが皮膚の表面にいる常在菌によって分解される過程で、あの独特な臭いが生まれます。常在菌の種類やバランスは人それぞれ異なるため、わきがの臭いの種類や強さも千差万別です。同じわきがでも、鼻につく酸っぱい臭い、ツンとするアンモニア臭、古い油のような臭いなど、様々なタイプの臭いがあるのはこのためです。
わきがになりやすい体質は、遺伝による影響が大きいことも知られています。両親がわきが体質の場合、子どももわきがになる可能性が高くなります。これは、アポクリン腺の大きさや数、分泌される汗の成分などが遺伝的に決まっているためです。しかし、遺伝的要因だけでわきがの臭いの強さが決まるわけではありません。日々の食生活や生活習慣も、臭いの強さに影響を与えます。脂肪やタンパク質を多く含む食事や、香辛料の摂りすぎは、アポクリン腺の働きを活発にし、臭いを強くする可能性があります。反対に、野菜を中心としたバランスの良い食事や適度な運動は、体臭を軽減する効果が期待できます。ストレスもまた、アポクリン腺の分泌を促進する要因の一つです。ストレスを溜め込まないよう、リラックスできる時間を作ることも大切です。このように、わきがは遺伝的な要因と生活習慣の両方が複雑に絡み合って生じるものであり、体質だからと諦めずに、生活習慣の見直しによって臭いを軽減できる可能性は大いにあります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 原因 | アポクリン腺から分泌される汗が皮膚常在菌によって分解されることで発生する独特の臭い。 |
| アポクリン腺 | 脇の下や陰部などに存在する汗腺。思春期以降に活発になる。 |
| 汗の成分 | 皮脂、タンパク質、アンモニアなど。 |
| 臭いの種類 | 酸っぱい臭い、ツンとするアンモニア臭、古い油のような臭いなど様々。常在菌の種類やバランスによる。 |
| 遺伝的要因 | 両親がわきがの場合、子供もわきがになりやすい。アポクリン腺の大きさ、数、汗の成分などが遺伝する。 |
| 生活習慣の影響 | 食生活、ストレスなども臭いの強さに影響。 |
| 臭いを軽減する方法 | バランスの良い食事、適度な運動、ストレス軽減など。 |
わきがの治療法

体臭の中でも特に気になる脇の臭い、いわゆるわきが。正式には腋臭症と呼ばれ、多くの人が悩んでいます。このわきがの治療には、いくつかの方法があり、それぞれに特徴があります。大きく分けて、手術、注射、塗り薬、そして新しい技術を使った治療法があります。
まず、手術による治療は、臭いの元となる汗腺を直接取り除く方法です。いくつか種類があり、皮膚を切開して汗腺を切除するやり方、小さな穴を開けてそこから汗腺を吸引するやり方、皮膚を薄く剥いで汗腺を除去するやり方などがあります。手術は効果が高い反面、傷跡が残る可能性や、手術後の痛み、腫れなどの負担も考慮しなければなりません。どの手術方法が自分に合っているかは、医師とよく相談して決めることが大切です。
次に、注射による治療は、ボツリヌス菌から作られた薬剤を注射する方法です。この薬剤は汗腺の働きを抑える効果があり、わきがの臭いを軽減します。手術と違って傷跡が残らない、比較的短時間で治療が終わるといった利点があります。しかし、効果は永久的ではなく、数ヶ月ごとに注射を繰り返す必要があります。
手軽にできるのが、塗り薬による治療です。ドラッグストアなどで市販されている制汗剤や、医師から処方される塗り薬などがあります。汗を抑えたり、殺菌作用のある成分が含まれていて、臭いを抑える効果があります。手軽に始められる一方、効果は一時的で、重度のわきがには効果が薄いこともあります。
その他、レーザーや高周波を使った新しい治療法も登場しています。レーザーや高周波で汗腺を破壊することで、臭いを抑える効果が期待できます。これらの治療法は、傷跡が目立ちにくい、ダウンタイムが短いといったメリットがあります。
わきがの治療法は様々ですが、どの治療法が最適かは、わきがの程度や生活スタイル、費用などによって異なります。まずは専門の医師に相談し、自分の状態に合った治療法を選ぶことが大切です。
| 治療法 | 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 手術 | 皮膚を切開・小さく穴を開ける・皮膚を薄く剥ぐ | 効果が高い | 傷跡が残る可能性、術後の痛みや腫れ |
| 注射 | ボツリヌス菌の薬剤を注射 | 傷跡が残らない、短時間 | 効果は一時的、数ヶ月ごとに注射必要 |
| 塗り薬 | 制汗剤、医師処方の薬 | 手軽 | 効果は一時的、重度のわきがには効果薄い |
| レーザー・高周波 | レーザー・高周波で汗腺破壊 | 傷跡が目立ちにくい、ダウンタイムが短い | – |
日常生活での対策

体臭に悩む方にとって、毎日の暮らしの中でできる対策は心強い味方です。清潔を保つことは、わきが対策の基本です。汗をかいたら放置せず、こまめに拭き取りましょう。濡れたタオルではなく、乾いたタオルやウェットティッシュで優しく押さえるように拭き取ると、肌への負担も軽減できます。汗をかいた衣類は、そのまま着続けずに清潔な衣類に着替えましょう。汗を吸収しやすい綿素材の下着を選ぶのも良いでしょう。入浴の際は、殺菌作用のある石けんをよく泡立てて、わきの下を丁寧に洗いましょう。ゴシゴシこすりすぎると、肌を傷つけてしまうため、優しく洗うことが大切です。また、わきの下の毛は、雑菌の繁殖を促すため、処理することも効果的です。
食生活も見直してみましょう。肉類や脂っこい食べ物、刺激の強い香辛料などは、汗腺の働きを活発にしてしまうことがあります。これらの食品の摂り過ぎに注意し、野菜や果物など、バランスの良い食事を心がけましょう。特に、ビタミンやミネラルを豊富に含む食品は、健康な肌を保つ上で大切です。
心身の健康も、体臭に影響を与えることがあります。ストレスを溜め込みやすい方は、適度な運動や趣味の時間、十分な睡眠を確保するなど、リラックスできる時間を取り入れましょう。自律神経のバランスを整えることで、過剰な発汗を抑える効果も期待できます。
規則正しい生活習慣を維持することも、わきが対策に繋がります。毎日同じ時間に起床し、3食きちんと食べる、そして十分な睡眠時間を確保する。これらの基本的な生活習慣を身につけることで、体内のリズムが整い、体臭の改善にも繋がります。体臭は、体からのサインです。これらの日常生活での対策を参考に、自分自身に合った方法を見つけて、快適な毎日を送りましょう。
| 対策 | 詳細 |
|---|---|
| 清潔を保つ |
|
| 食生活の見直し |
|
| 心身の健康 |
|
| 規則正しい生活習慣 |
|
適切な衣服選び

わきが対策において、適切な衣服選びは非常に大切です。衣類の素材、機能性などを考慮することで、気になる臭いを抑え、快適に過ごすことができます。
まず、通気性の良い素材を選ぶことが重要です。汗をかいても、衣類が通気性を備えていれば、汗の蒸発を促し、臭いの発生を抑えることができます。天然素材である綿や麻は、吸湿性と放湿性に優れており、わきが対策に適しています。これらの素材は、汗を吸収し、速やかに乾かすため、肌を清潔に保つことができます。一方、化学繊維で作られた衣類は、通気性が悪く、汗がこもりやすいため、わきがの原因となる細菌の繁殖を招き、臭いが発生しやすい環境を作ってしまいます。特に、気温の高い時期には、通気性を重視した衣服選びを心がけましょう。
こまめな着替えも効果的です。汗をかいた衣類を長時間着用していると、臭いが強くなる可能性があります。汗をかきやすい時期には、こまめに着替えることで、清潔な状態を保ち、臭いの発生を予防することができます。また、制汗・消臭機能を備えたインナーを着用することもおすすめです。これらのインナーは、汗を吸収し、臭いの発生を抑える効果があります。肌着だけでなく、アウターにも消臭効果のある衣類があるので、積極的に活用しましょう。
季節に合わせた衣服選びも大切です。夏は通気性を重視し、冬は保温性を重視しつつも、吸湿性の良い素材を選ぶことで、一年を通してわきがの悩みを軽減することができます。さらに、自分の体質や生活スタイルに合った衣服選びを心がけることで、より効果的にわきが対策を行うことができます。例えば、汗をかきやすい体質の人は、吸湿速乾性に優れた素材の衣類を選ぶと良いでしょう。また、運動をする際は、通気性に優れたスポーツウェアを着用することで、汗による不快感を軽減することができます。このように、様々な工夫を凝らすことで、わきがの悩みを解消し、快適な毎日を送ることができます。
| ポイント | 詳細 | 具体例 |
|---|---|---|
| 通気性の良い素材を選ぶ | 汗の蒸発を促し、臭いの発生を抑える | 綿、麻などの天然素材 |
| 化学繊維を避ける | 通気性が悪く、汗がこもりやすい | ポリエステル、ナイロンなど |
| こまめな着替え | 汗をかいた衣類を長時間着用すると臭いが強くなる | 特に汗をかきやすい時期 |
| 制汗・消臭機能付きインナー | 汗の吸収と臭いの抑制 | 機能性インナー |
| 消臭効果のあるアウター | 臭いの発生を抑制 | 消臭加工された衣類 |
| 季節に合わせた衣服選び | 夏は通気性、冬は保温性と吸湿性を重視 | 季節に適した素材 |
| 体質・生活スタイルに合わせた衣服選び | 汗かきやすい人は吸湿速乾素材、運動時は通気性の良いスポーツウェア | 個々の状況に適した素材 |
