
圧迫固定で術後ケア
手術後の腫れや痛み、内出血といった症状を抑えるために、患部を圧迫し固定する処置を圧迫固定といいます。皮膚を切開する手術や、脂肪を吸引する手術の後などに広く用いられています。
圧迫固定には、包帯や伸縮性のあるサポーター、肌に直接貼るテーピングなど、様々な用具が使用されます。これらを使い、患部を適切な強さで圧迫することで、手術によって傷ついた組織の修復を促し、腫れや内出血を最小限に抑えることができます。また、傷口が大きく広がるのを防ぎ、傷跡を目立たなくする効果も期待できます。
脂肪吸引手術後に行う圧迫固定は、特に重要な役割を果たします。脂肪吸引によって皮下脂肪が減少すると、皮膚がたるんでしまうことがあります。圧迫固定を行うことで、たるんだ皮膚を固定し、理想とする滑らかな体の線に近づける効果が期待できます。さらに、手術部位の変形を防ぎ、美しい仕上がりを維持するのにも役立ちます。
圧迫固定を行う期間や圧迫の強さは、手術の種類や患部の状態によって異なります。医師の指示に従い、正しく圧迫固定を行うことが、術後の回復を早め、合併症を防ぐ上で非常に大切です。自己判断で圧迫を強くしたり、固定を外したりすると、かえって症状が悪化したり、傷跡が目立ってしまう可能性があります。圧迫固定中に痛みや痺れ、違和感などを感じた場合は、すぐに医師に相談するようにしましょう。適切な圧迫固定は、手術後の経過を良好に保ち、患者さんが安心して日常生活に戻れるようサポートする上で、欠かせない処置といえます。