薬剤性錐体外路症状

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落ち着かない体: アカシジアを知ろう

アカシジアは、体の奥深くから湧き上がるような、耐えられないほどの落ち着きのなさを特徴とする症状です。まるで体の中に小さな動力装置が埋め込まれ、常に動きを止められないような感覚に襲われます。 具体的な症状としては、絶えず足を動かしたり、体を揺すぶったり、歩き回ったりする行動が挙げられます。椅子に座っていても、静かにしていることができず、もぞもぞと体を動かし続けるため、周囲からは落ち着きがない、そわそわしているといった印象を与えてしまうかもしれません。この落ち着きのなさは、精神的な不安や焦りとは異なり、体の奥底から湧き上がる抗いがたい衝動です。患者によっては、この症状を「皮膚の下を虫が這っているようだ」「内側が燃えているようだ」と表現する方もいます。 症状の程度は個人差があり、軽い不快感から、日常生活に支障が出るほどの激しい衝動まで様々です。また、症状は常に一定ではなく、時間帯や状況によって変化することもあります。例えば、夜間、床に就く際に症状が悪化し、眠れなくなる場合も少なくありません。 アカシジアは薬剤の副作用として現れることが多く、特に抗精神病薬が原因となる場合がよく知られています。症状が現れた場合は、自己判断で薬を中止するのではなく、すぐに医師に相談することが重要です。医師は症状の程度や原因を評価し、薬の種類や量を調整するなど、適切な対応を行います。場合によっては、他の薬を併用して症状を抑えることもあります。アカシジアは適切な治療によって症状を軽減、あるいは完全に消失させることができるため、早期の発見と適切な対応が重要です。
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