
治療の成功のカギ:アドヒアランス
近年、医療の世界では「協働医療」という考え方が注目を集めています。これは、患者さんが自分の病気や治療についてしっかりと理解し、納得した上で、主体的に治療に参加する姿勢のことを指します。これまでの医療では、医師が患者さんに指示や説明をし、患者さんはそれに従うという、いわば一方通行になりがちでした。医師は専門家として指示を出し、患者さんはそれを受けるという関係性です。しかし、協働医療は、医師と患者さんが同じ立場で、一緒に治療に取り組むという、双方向のやり取りを大切にします。
具体的には、医師は患者さんの病状や治療方法について、分かりやすく丁寧に説明します。専門用語は避け、図や模型などを用いることで、患者さんが理解しやすいように工夫します。また、患者さんの不安や疑問に耳を傾け、十分な時間をとって話し合うことも重要です。患者さんは、自分の病状や治療について積極的に質問し、疑問点を解消することで、治療への理解を深めます。そして、納得した上で治療に参加することで、治療効果の向上や生活の質の改善につながると考えられています。
例えば、美容医療においても、患者さんが望む美しさのイメージや、治療に対する不安や期待を医師と共有することで、より満足度の高い結果を得ることができます。医師は、患者の希望を丁寧に聞き取り、実現可能な範囲で治療方針を提案し、患者さんと一緒に最良の方法を探っていきます。
つまり、協働医療は、患者さんと医療従事者が協力して治療を進めるための大切な要素であり、より良い医療の実現には欠かせないものなのです。患者さん一人ひとりの状況や考え方を尊重し、共に治療目標を目指していくことで、真に患者さん中心の医療が実現すると考えられます。