
腰痛の悪循環:恐怖回避思考にご用心
腰の痛みは、多くの人が経験するありふれた症状です。重い物を持ち上げた瞬間に起こる「ぎっくり腰」のように、突然激しい痛みに襲われることもあれば、日々感じる鈍い痛みや違和感のように、長い間付き合っていくものもあります。腰痛の原因はさまざまですが、実は、心の持ちようが痛みの悪化に繋がっているケースがあることをご存じでしょうか?
「恐怖回避思考」という言葉をご存知ですか?これは、過去の痛みや辛い経験にとらわれすぎてしまい、その経験を避けるために特定の行動をとったり、特定の場所を避けるようになってしまう心理的な状態を指します。
例えば、過去に重い物を持ち上げた時に腰を痛めた経験があるとします。この時、「また腰を痛めてしまうのではないか」という恐怖心から、重い物を持ち上げることを極端に避けるようになることがあります。しかし、必要な筋力トレーニングを怠ってしまうと、腰を支える筋肉が衰え、結果的に腰痛を悪化させてしまう可能性があります。
恐怖回避思考は、腰痛だけでなく、様々な痛みの悪化に繋がると言われています。過去の痛みの経験にとらわれすぎることなく、医師や理学療法士などの専門家の指導の下、適切な運動や治療に取り組むことが大切です。