水温

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美肌

東洋医学における津液の役割

東洋医学では、人間の体は「気・血・水」の三つの要素で成り立っていると考えられています。このうち「水」に当たるのが「津液」と呼ばれるものです。津液とは、体の中にある水分全般を指し、血液以外の体液すべてを包含する重要な概念です。具体的には、唾液や涙、汗などの分泌物から、関節液、消化液など、体の様々な場所で潤いを与え、機能を維持するために欠かせない液体が含まれます。 津液は、まるで体内の潤滑油のような役割を果たし、肌や髪に艶を与え、関節を滑らかに動かすのに役立っています。また、体内で熱がこもりすぎた時には、汗として体の外へ熱を逃がし、体温調節を助けます。さらに、栄養分を体の隅々まで運び、不要な老廃物を体外へ排出するのも津液の大切な働きです。 この津液は、単に体内の水分量を維持するだけでなく、生命活動を支える重要な役割を担っています。「気・血・水」は互いに影響し合い、バランスを保つことで健康が維持されます。津液が不足すると、乾燥肌や便秘、関節の痛みなどを引き起こし、ひどくなると生命活動にも支障をきたす可能性があります。逆に、津液が過剰に溜まると、むくみや冷え、下痢などを引き起こす場合もあります。 東洋医学では、この津液のバランスを保つことが健康維持の鍵と考えられており、食事や生活習慣に気を配り、津液を適切に生成し、体内に巡らせることが大切だとされています。例えば、水分をこまめに摂ったり、バランスの取れた食事を心がける、適度な運動をする、質の良い睡眠をとるなども、津液のバランスを整える上で重要な要素となります。
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