エイジングケア

年齢を重ねるにつれて、鏡を見るたびに気になってくるのが、毛穴のたるみではないでしょうか。若い頃は気にならなかったのに、最近毛穴が目立つ、あるいは形が変わってきたと感じる方は、たるみ毛穴かもしれません。たるみ毛穴とは、読んで字のごとく、肌のハリや弾力が失われ、重力に負けてたるむことで毛穴が目立ってしまう状態のことです。 私たちの肌は、表面から表皮、真皮、皮下組織の３層構造になっています。肌の弾力やハリを保つ重要な役割を担っているのは、真皮と呼ばれる層です。真皮には、コラーゲンやエラスチンといった線維状のたんぱく質が網目状に張り巡らされており、肌の土台として弾力やハリを与えています。しかし、加齢とともに、これらのたんぱく質の生成力は衰え、網目が粗くなったり、切れたりしてしまいます。すると、肌の土台が弱くなり、重力に耐えきれず、肌全体がたるんでしまうのです。肌がたるむと、当然毛穴も一緒に下に引っ張られてしまい、丸かった毛穴が涙型や楕円形に変形し、目立つようになります。特に、頬や口元、目元といった皮膚の薄い部分はたるみやすく、毛穴の変形も顕著に現れやすい傾向があります。 加齢はたるみ毛穴の大きな原因の一つですが、それ以外にも、紫外線や乾燥、睡眠不足といった不規則な生活習慣、栄養バランスの偏りなども肌の老化を促進し、たるみ毛穴を悪化させる要因となります。例えば、紫外線は肌の弾力を保つたんぱく質を分解する作用があり、過剰な紫外線は肌の老化を加速させます。また、乾燥も肌の弾力を低下させる原因となります。肌の水分量が不足すると、肌の表面が硬くなり、柔軟性が失われてしまいます。さらに、睡眠不足や栄養バランスの乱れは、肌のターンオーバー（新陳代謝）を阻害し、健康な肌の生成を妨げます。これらの要因に気を付け、バランスの取れた食事、十分な睡眠、紫外線対策、保湿ケアといった適切な生活習慣を心がけることが、たるみ毛穴の予防と改善に繋がります。