
AGAとキューティクルの関係
私たちの頭髪は、一見シンプルな一本の糸のように見えますが、実は複雑な構造をしています。大きく分けると、中心部の毛髄質、それを包む毛皮質、そして表面を覆う毛小皮(キューティクル)の3つの層で構成されています。
毛髄質は、髪の毛の中心にあり、空洞になっている場合もあります。毛皮質は、髪の毛の大部分を占める層で、繊維状のタンパク質が束になっており、髪の毛の強度や色を決めるメラニン色素を含んでいます。そして、髪の毛の一番外側を覆っているのが毛小皮です。
毛小皮は、非常に薄い透明な膜のようなもので、例えるなら魚の鱗のように、複数の層が重なり合ってできています。この重なり合った構造が、髪の毛内部の水分やタンパク質を外部に逃がさないようにする役割を果たしています。また、紫外線や摩擦などの外部刺激から髪の毛内部を守る、いわば髪の毛のバリアのような役割も担っています。
この毛小皮の状態が良いと、髪の毛はツヤがあり、滑らかで、健康的とされています。しかし、パーマやカラーリング、あるいは摩擦などのダメージを受けると、毛小皮が剥がれ落ちたり、損傷したりすることがあります。その結果、髪の毛の内部の水分やタンパク質が失われやすくなり、パサつきや枝毛、切れ毛などの原因になるのです。